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開発背景
KAWAIのシンセ物語
KAWAI

KAWAI Vintage Legacyのリリースは、その背後にあるインスピレーションを詳しく確認する良い機会です。日本に拠点を置く河合楽器製作所のチームとの緊密なコラボレーションの結果、このプロジェクトはKAWAI K1、K3、K4、K5、R100、XD5のビンテージ サウンドと新しいサウンドをブレンドし、これらのマシーンを再生する特別な機会となりました。

KAWAI Vintage Legacyのインスピレーションの源

河合楽器製作所の始まりは、1927年にさかのぼります。この最高品質のピアノを作り続ける日本の老舗ピアノメーカーの最初のシンセサイザーは、モノフォニックのKAWAI 100Fです。この37鍵盤のシンセはやがて100P に進化し、70年代後半に「プリセット」選択タブを下部に追加しました。そして80年代にデジタルシンセが市場を席巻し始めた際、カワイもいくつかのモデルをリリースしました。その中には現代音楽の定番機として親しまれたものもあります。K3、K5、R100、K1、K4、および XD-5は、どれものシンセ史の中で特別な位置を占めており、これらの伝説的なモデルがUVIに多大な影響を与え、 Kawai Vintage Legacyのインスピレーションの源になりました。

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モーフィングテクノロジー

これらのシンセ名の番号はリリース順ではありません。この中で最も古いのがK3です。 このハイブリッドマシーンは、アナログとデジタルの世界を非常に独創的な方法で融合させました。オシレーターはデジタルで6種類の波形から選択します。そしてVCAとフィルターセクションは両方とも完全なアナログ仕様です。このシンセのサンプルを聴けば、時代を先取りしていることがわかります。デジタル波形に影響を与えるアナログコンポーネントは、現代の多くの最新のシンセに非常によく似た、モダンな「グリッチ」感を与えます。 K5はK3の後継機ですが、完全にデジタル化されました。 K3のプリセット表示はシンプルな番号表示のみであったのに対して、16パートマルチティンバーのK5には、プリセット名を表示するデジタル画面が用意されています。そしてK5は、扱いやすい加算合成のシンセとして一般的に知られています。Kawai Vintage Legacyでは、これらのビンテージ楽器のサウンドを得ることができますが、最新のプリセットブラウジングとカテゴリーで、様々なサウンドを素早くアクセスできます。そしてフィルターセクションのドライブコントロールを使用すれば、波形にアナログの温もりと飽和感や歪を与えることもできます!

KAWAI K3 Manual
ムービングアナログ

1987年、カワイはドラムマシーンのR100をリリースして、シンセラインを拡張しました。 これは、32kHz/12ビットのPCMサンプルを使用する本格派のデジタルドラムマシーンです。この仕様は、当時としては驚くほどハイスペックで、高解像度の品質を実現したもので、そのドラムサンプルが本当に輝いていました。R100には、シンク、ハイハットペダル、クロックなどの多くの入出力を装備していました。キットを保存・共有できるメモリーカートリッジスロットも備えていました! Kawai Vintage Legacyのドラムマシーンは、実機の魅力あるトーンを非常にクリエイティブに成形できます。フロントページのディケイとドライブマクロと一緒にフィルターにもすばやくアクセスできるため、深く掘り下げなくても、簡単な調整でプリセットに個性を与えることができます。 R100のリリースでリズム音源に注目されがちでしたが、カワイは鍵盤楽器の充実も忘れていません。次に登場したシンセは、1988年にリリースされたK1です。

KAWAI R-100
KAWAI K1

K1は、波形を再現するためにPCMオシレーターを装備しました。カワイは、256の波形をライブミキシングするためのジョイスティックを追加しました。そして1989年に、このモデルはK1-IIに進化し、1989年にリリースされ、同時発音数の拡張、オンボードリバーブの追加、および打楽器サウンドのアップグレードがこの「後継機」に用意されました。K1にインスパイアされたKawai Vintage Legacyには非常に多くの素晴らしい音色パッチがありますが、その中でもストリングスとFM ベースのサウンドは最もチェックすべき音色です。

更なる進歩

K1の成功を受けて、1989年に発売されたのがK4です。 K4には16ビットサンプルと非常に優れたエフェクトエンジンがありました。デジタルフィルターセクションは、シンセサウンドはより高い柔軟性と順応性をもたらします。そしてこの8パートのマルチティンバー音源をアナログスタイルのフィルターで形成することができます。K4のサウンドは非常に特徴的で、必要に応じてとても壮大かつファジーになります。 K4の時代には、新しいドラムマシーンも導入されました。それがXD-5です。このパーカッションビーストはサンプルベースでしたが、ドラム波形に焦点を当て、4つのサンプルを組み合わせて、1つのドラムサウンドを形成します。エンベロープとレゾナンスローパスフィルターは、エレクトロニックミュージックでの使用にとても役立ちます。さらにリングモジュレーターを追加することで、XD-5はサウンドデザインの面でも「際立った」ものになりました。

KAWAI K4
敬意と伝承

Kawai Vintage Legacyは、シンセ史におけるこの重要な部分に愛情と敬意を込めた音源コレクションです。オリジナルマシーンのサウンドと魂を宿しつつ、最新ライブラリーのプリセットと利便性により、これらすべてのマシーンに素早くアクセスできます。このコレクションはプロデューサーが長きにわたり、楽曲に独特の個性と独自のエッジを与えるためにの秘宝です。 最新のコンピューター処理能力により、ボイス数をはじめとする実機の制限から解放されます。もちろん、MIDIアサインはシンプルかつ簡単で、フットペダルからモジュレーションホイールまで、さまざまなコントローラーを使用したパラメーター操作が生演奏中であっても即座に割り当てて操作をすることができます。また、すべての音源にUVIを象徴する強力なアルペジエーターを装備することで、オリジナルサウンドをよりクリエイティブな方法で、扱うことはできます。ローファイなグリットから想像を超えたソニックテクスチャーまで、Kawai Vintage Legacyは制作に更なるレベルをもたらします。

KAWAI Vintage Legacy

ライジングサンの至宝

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