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深堀
Synth Anthology 4 - MPEを活用したサウンドデザイン体験
Synth Anthology 4

Synth Anthology 4は、MPEのネイティブ対応による、新たな表現のレベルを実現します。このことで、MPE MIDIコントローラーのユーザーは、お馴染みの(あるいは初めて出会う)4,000ものハードウェアシンセサウンドのレイヤーで、表現豊かに演奏できます。我々と共に、この革命的なMPEテクノロジーの世界に深く没入し、それがどのように音に作用し、変革をもたらすのかを明らかにしていきましょう。

MIDI Polyphonic Expressionの起源

MIDI Polyphonic Expression(MIDIポリフォニックエクスプレッション、略してMPE)は、個々のパラメーターコントロールをノートごとに関連付けることを可能にしたMIDIの拡張規格です。このことで、従来のMIDIチャンネル全体に制限された表現が、MPE互換デバイスによって、個々のノートを複数のパラメーターでリアルタイム制御し、より表現豊かな楽器の響きや演奏の制御が可能となります。

1983年の策定以来、MIDI規格は大きく進化しました。その中でも主な進化の一つが、MPE(MIDI Polyphonic Expression)規格の創成です。この規格は近年になってMIDI協会によって正式に採用されましたが、電子楽器デザインの分野では長い間、Multi-dimensional Polyphonic Expressionの名称で、Roger Linn、Keith McMillen、Lippold Haken、John Lambertなどの偉大な先人によって先駆けられてきました。

この新しい技術は、コンピューターベースの作曲とシンセサイザーの世界を、より現実味のある、実験的で表現豊かなレベルに引き上げます。

Synth Anthology 4では、我々の開発陣は、この想像を超えたコレクションを通じた、新たな表現へのアクセスを提供するために懸命取り組みました。これは、数百ものレストアや調整されたシンセサイザーから数千におよびレイヤーの詳細サンプリングに始まり、丹念な編集加工を通じて築かれたもので、定番のクラシックモデルからモダンギアまで、一般的な機種からマニアックなレアものまで、数年にわたる努力の結集です。

Synth Anthology 4のMPEプリセット制作

Synth Anthology 4には3つの主要なモジュレーションがあります。ピッチベンド(鍵盤ごと)は、MPEをオンにすると自動的に割り当てられます。そして、アフタータッチとCC74も用意され、これらはレイヤーごとに、ゲインとカットオフに対して自由に割り当てることが可能です。

ほとんどのMPEコントローラーでは、CC74とアフタータッチはプレッシャー(圧感)とスライドでモジュレーションをかけることができます。このことで、指先によるサウンドを完全に制御できます。以下は3つのコントローラを用いた例です:

MPE Schematic
MPEを使用する際、この楽器の最も興味深い側面の一つに、Synth Anthology 4がデュアルレイヤーエンジンを基にしていることです。このことで、非常に効果的なMPEプリセットを素早く作成できます。例えば、レイヤーAのカットオフはアフタータッチでモジュレーションし、鍵盤またはパッドのタッチでフィルターを開くことができます。
一方、レイヤーBのカットオフはCC74によってモジュレーションされ、別のサウンドをスライドモジュレーションで重ね合わせることができます。また、いずれのレイヤーでも両方のモジュレーションを組み合わせてより、絡み合った複雑な動作を作成することも可能で、4000以上のソースとの組み合わせで、膨大な数のプリセットをユーザー自身でデザインできます。

ちょっとしたヒント: MPEでモジュレーションをかける際、「連続した」ソースを使用することをお勧めします。一度しか再生されない「ワンショット」のソースを使用すると、制御時間がサンプルのエンベロープに依存しすぎるため、相互作用の余地が大幅に少なくなります。つまり、モジュレーション効果が現れる前に発音が終了してしまう可能性が大きくなります。

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