映画鑑賞をしているとき、ビデオゲームをプレイしているとき、あるいはスマートフォンのキーボードをタイプしているとき、その周囲にあるすべての音が気にならないかもしれません。床を歩く際のかすかなきしみ、剣が抜かれる際の鋭い金属音、新着メールを知らせるおなじみの通知音…それらすべてがサウンドデザインによるものです。
こうした日常的な音は、私たちの聴覚体験を形作ります。それらは"影の主役"としてイマーシブ環境の没入感に深みを与え、架空の世界を具現化にし、さらには私たち自身の日常のサウンドトラックを豊かなものにします。ジョージ・ルーカス氏の「音は体験の50%を占める」という言葉は、まさしくこの点を指摘していると言えるでしょう。
音楽がその雰囲気を決定づけることは言うまでもありませんが、感情や文脈、そして感情に付随するのは、まさにこうした日常的な音です。UVIでは、ソフトウェア音源やエフェクトプラグインの開発と並行して、ポストプロダクションおよびフォーリー制作ツールにも精力的に取り組んでおり、それを私たちのクリエイティブDNAの不可欠なパートにまで成長しました。
• モダンポストプロダクションの現場ニーズに触発されたツール
映画制作の現場からポストプロダクションツールの設計まで
私たちは長年にわたり、映画業界で著名なサウンドエディター/デザイナーであるアントワーヌ・マルタン(Antoine Martin)と協業してきました。サウンドレコーディングのエキスパートである彼とは、Walker 2、Unlock、Xtreme FX 2、Whooshなどの代表的なUVIポストプロダクションツールの開発において連携を深めてきました。彼はまた、映画業界で現役のサウンドエディター/デザイナーとして、リュック・ベッソン(Luc Besson)をはじめとする著名な映画監督とも協業しているため、現代のサウンドデザイナーのニーズを深く理解しています。
「映画制作に携わることで、新しいプラグインやサウンドウェアのアイデアをすべて得ています。実際に現場で使用しているツールに“こうなったらもっと良いのに”と思ったり、“こういうのがあれば良いのに”と感じる際が、新しいツールの誕生のきっかけです。そして、ツールを開発し、編集室に戻って映画制作で、実際に自分のプラグインを使用し、アップデートを重ね、プロジェクトの完成と同じ感覚が得られたらリリースをします。ですので、このプロセスの満足度は非常に高いんです!」
UVIのすべてのポストプロダクションツールは、信頼性、多用途性、そしてプロフェッショナルレベルのパフォーマンスに一貫した焦点を当てて開発されています。その中でも、私たちが特に注力しているのは、録音環境の精緻な管理です。そのために入念な録音条件を確保することに投資しており、UVIのポストプロダクションツールの収録は、パリのTechnicolor Sound Stage(テクニカラーサウンドステージ)のような一流スタジオでおこなわれています。多様な距離と配置で多数のマイクを使用し、ユーザーのニーズに応じてあらゆる音を柔軟に調整、パーソナライズできるための、強力なエンジンの独自開発にも努力を惜しまず臨んでいます。
例えば、Walker 2では、足音がさまざまな速度、強度、意図(通常歩行、すり足、停止)で収録しました。このことで、Walker 2はユーザーの演奏スタイルに応じて、自然な反応が得られるように設計されています。さらに、何十もの靴と床材や地面の組み合わせごとに何十もの反復(ラウンドロビン)の収録を重ね、ライブラリーのサンプル数が合計45,000を超える結果になりました。そして、Walker 2は、Randomノブを用いて音量やピッチに微妙な変化を加えることができ、サウンドのリアリティに一層の深みを与えることが可能です。
当社のサウンドエフェクトの卓越した品質は、Amazon Prime、BBCなどの主要プラットフォームをはじめとする人気作品で活躍するプロのサウンドデザイナー達にとって、頼りになる源として、高い支持を受けています。プロの制作現場においてサウンド品質は不可欠であるため、UVIの製品は、映画やビデオゲーム業界における厳格な音質基準を満たすだけでなく、それを上回る性能を目指して設計されています
UVIのポストプロダクションツールは、映画「エミリア・ペレス」「サブスタンス」 「LUCY/ルーシー」「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」や、ゲーム「ファイナルファンタジーVII リメイク」などで使用されており、さらにはサウンドエフェクトがサウンドトラックの演出として取り入れられる場面でも活用されています。
使いやすさを重視したUVIポストプロダクションツール
UVIのすべての製品は直観的、便利で使いやすいことを重視し、高品質のサウンドを幅広く収録した、利便性の高いパッケージとして設計されています。
現場でUVIプラグインを日々使用しているプロフェッショナルとの密接な連携により、彼らのニーズを的確に把握することが可能となっています。こうしたフィードバックを活かし、効率的で直観的、かつ実際のワークフローに最適化されたインターフェースの開発につなげています。
• 設計意図:サウンドデザイナーのための次世代ツールキット
UVIのポストプロダクションコレクションは、モダンサウンドデザイナーやエディター、
ミュージシャンのワークフローに最適化された設計となっています:
サンプリングとシンセシスを融合した、パワフルかつ柔軟性に優れたツール。31,000以上のクリック音やメカニカルサウンドを、エキスパートの手によって丁寧に収録。
用途:
壁スイッチ、コントロールパネル、ダッシュボード、アンプやレコーダー、エフェクトペダル、PCキーボード、工具、玩具など、各種デバイス音の再現に最適です。また、デジタルビープ音、電話の着信音、アラーム、サイレン、医療機器、アプリの通知音など、ビープ音系のサウンド制作にも幅広く対応します!
リズムとインパクトのあるエフェクトを自在に生み出す、革新的なサウンドデザインツール。あらゆる制作に深みと迫力をもたらします。
用途:
壮大なシネマティックパーカッションやドラム、エフェクトの制作に最適です。オーケストラパーカッション、効果音、電子およびアコースティックドラム、フォーリー、環境音など、多彩な素材を駆使した、ダイナミックで印象的なサウンドスケープを実現します。
あらゆる動きのあるサウンドを自在に生成する、ダイナミックで直観的なツール。スウッシュ(シュッとした音)やおよびウーシュ(ヒューやシャーとした音の)エフェクトのデザインに最適です。
用途:
動作音、風の音、ウーシュ系エフェクト全般に理想的で、用途に応じた素早く的確なアクセスが可能なように、Air(空気)/Distorted(歪み)/Electricity(電気)/Fire(火)/FX(効果音)/Material(素材)/Metal(金属)/Motor(モーター)/Noise(ノイズ)/Orchestral(オーケストラ)/Rock(岩)/Sparkle(きらめき)/Synth(シンセ)/Water(水)/Wind(風)の15のサウンドカテゴリーに分類されています。
靴音や足音に特化した利便性と直観性を兼ね備えた決定版ツール。床面や地面、衣服の摩擦音の追加や未知の生物の足音の創造も可能です。
用途:
スニーカー、ブーツ、革靴、ハイヒール、蹄、鉤爪など、あらゆる靴・足音の再現に最適です。また、カーペット、コンクリート、木床、土、草原、森、ガラス、金属、干し草などの床・地面素材の音にも対応。さらに、コットン(厚手)、ドレス素材、レザー、サテン、シルクなど、24種類の衣類音を収録しており、細部までリアルなフォーリー表現を可能にします。
日常音からフォーリーまでを幅広く網羅し、16以上のカテゴリーを収録。効果音ライブラリーとサウンドデザインを融合した多機能ツールです。
用途:
効果音、フォーリー、環境音、シンクロしたリズム、楽器的演出など、幅広い用途に対応します。Activities(活動)、Animals(動物)、Combat(戦闘)、Elements(自然要素)、FX(効果音)、People(人間)、Machines(機械)、Musical(音楽)、Nature(自然)、Objects(物体)、Places(場所)、Sci-Fi(SF)、Themes(テーマ)、Transportation(交通)、Unreal(非現実)、Urban(都市)のカテゴリーに整理され、直観操作で目的の音に素早くアクセスできます。
• 結論:音で物語が深化する
スクリーン、ステージ、空間を横断して物語が語られる時代において、サウンドデザインはもはや背景要素ではなく、没入感の鍵となっています。シそれが、印象的な映画のシーンであれ、ビデオゲームのインターフェースであれ、あるいはスマートフォン上のちょっとした操作音であっても、音はすべての体験を際立たせ、支える役割を果たします。
UVIでは、創造を可能にし、インスピレーションを与えるツール設計に情熱を注いでいます。私たちの目標は、すべてのクリエイターに理想のサウンドを自らの手で形作る力を持てるようにすることであり、そのためにサウンドデザイナー、エディター、ミュージシャンが表現の限界突破を可能にすることに取り組んでいます。なぜなら、優れた物語の裏には、必ず記憶に残る音があるからです。